みうらさん

いつも朝のご出勤を観察していた相手が

ミウラという名前だということがわかった。

母が飼い主さんから聞いてくれたのだけど、

なんでミウラなのかということは聞かなかったらしい。

ミウラ。

呼び捨てはちょっと畏れ多い。

みうらちゃん。

って感じでもない。

みうらさん。

みうらさんがしっくりくる。

名前がわかったらより親近感が湧いて

より気になる存在になってしまった。

さっき仕事から帰ってきたら、

暗い道の端にみうらさんを発見！

おうちのまえにひっそり座っていた。

やだ！みうらさんじゃないの、

とヒソヒソ声で話しかける。

ちょっと触らせてくれない？

と近づいたら

さっと奥へ入ってしまった。

と思いきや手前で座ってこっちの様子をじっと見ている。

色々話しかけてみるものの、

距離を縮めてくれる気配がないので、

立って歩き出す私。

振り返ったらまたみうらさんが壁越しに顔を出して私を見てる。

いやん、なになに？

と思って近づいたらまた逃げるみうらさん。

でもスッと座ってじっと私を見る。

私もじっと見る。

ちょっと触らせてよ。

だめなの？

まだだめ？

しばらくねばってみたけど、

みうらさんは静かに佇むばかりで近寄ってはこず。

じゃあまた今度ね。

と言って諦め帰宅の私。

早くみうらさんと仲良くなりたい。