のれん
大阪にいる間に完成させたいと思いつつ、
帰ってくる理由をここに残しておきたいという思いもあり、
未完成のままで東京に引っ越した。
その手織りの暖簾がやっと今日完成。
織り機から外すと
一枚の布としての存在感がすごい。
長さ190cm。
今までで一番安定した織り目でよい感じ。
でもこれは暖簾なので、
真ん中で切らなければならない。
せっかく織ったのに切るのやだなぁと思ったけれど、
チョキンと真っ二つにするのではなくて、
切るための隙間を作るために丁寧に何段か糸を抜いていく。
ひとつひとつの作業がなんとも愛おしい。
そういう感覚は初めてだった。
私はときどき意味もなく先を急ぎすぎる。
終わりに近づくのがなんだか寂しい感じがして、今はちょっとじーっと布を眺めて最後の裁断と、端っこの糸の処理を中断している。
やっぱり二枚に分けるのは一番最後にとっておこう。